「石子と羽男」第2話。
第1話の感想記事にも書いた「声を上げる」というメッセージが、今回も描かれていました。
「声を上げた」親子と、「声を上げなかった」女性の対比のようにも見えたなと。
以下、「石子と羽男」第2話の3行あらすじと、3ポイント考察です。
※ネタバレあり!
「石子と羽男」2話 3行あらすじ
- 「息子が無断でスマホゲームに課金してしまった」と無料相談に訪れる親子
- さらに、息子ではない誰かがゲームアカウントを乗っ取り、課金される事件が発生
- 自分の環境を恨む犯人の逆恨みによる犯行。息子の課金は母のためだった
「石子と羽男」2話 3ポイント考察
「声を上げた」親子と、「声を上げなかった」女性
Wワークをしながら息子を進学塾に通わせるシングルマザー(木村佳乃)。
息子が自分に無断でゲームに課金をしてしまい、十数万の請求がきたということだったけれど、同じような問題が起きて泣き寝入りした経験のある人も多いのでは。
けれど彼女は忙しい合間をぬい、弁護士への「無料相談会」をねらって、きちんと相談に来た。つまり、声を上げたのである。
その結果、親子は法律の下で正当に問題を解決することができた。
一方で、犯人であった女性は自身が生まれた家庭環境を恨み、その怒りは犯罪という不当な形で他人にぶつけられ、逮捕されることになってしまった。
もし彼女も、正当に「声を上げる」ことができていれば。そして、正当に「声を上げる」方法や手段を、知る機会があれば。心を曲げずにいられる誰かと出会えれば。彼女の人生は変わっていたかもしれないのになあ、と思う。
「石子と羽男」プロデュースの新井氏は、人生を変えてしまったかもしれない機会や出会いというものをたびたび描いている。「MIU404」では"スイッチ"という言葉で表されていたように。
「くっだらねー。自分の人生に不満あるからって他人に矛先向けんなよ」
ただし今回は、「親ガチャ」に憤る女性に対し、羽男は「くっだらねー」と一蹴する。
"スイッチ"は確かに存在するのかもしれない。
けれどそれがどうであれ、その結果「他人に矛先」を向けるのはきっと正しくない。
じゃあどうすればいいのか、という問いの答えの1つが「声を上げる」ことなのだろう。
個人的に、この台詞はとてもよかった。
「親ガチャ」という言葉、「確かに生まれた環境の当たり外れはあるよな」みたいな肯定ともとれる論調で語られがちな気がする。
それは正論かもしれないけれど、そんなことを言っても何も変わらないわけで。
だからこそ羽男から出た言葉は、肯定でも否定でもなく「くだらねー」だったのだろうと思う。
羽男自身もどうやら母との関係に何かあるようで、このあたりの描かれ方も楽しみ。
未成年の失敗は社会全体でカバーする
Wワークで疲弊する母を救いたい→塾をやめればいい→塾をやめるためには問題を起こそう→スマホゲームで課金しよう、という考えで問題を起こした息子。
子どもは「声を上げる」手段を知らない。
母に伝えるということすら、言葉を知らない子どもにはできない。
だからこそ、「未成年の失敗は社会全体でカバーする」。
そして成人するまでに、その手段を教えるのが大人の役目だよなあと思ったり。
おわりに
今回地味にテンションが上がったのですが、セブンイレブンにいる有村架純・中村倫也・赤楚衛二ってかなりレアじゃないですか???
直後にセブンのCMが流れていたので、提供だから為せる業か~と納得。
あと石子の衣装がちゃんと着回しになっているところも地味にポイント高いです。
緑のカーディガン似合っててかわい~!
さて、赤楚くんは今回セリフも少なめだったけど、石子に恋するだけの役回りなの?
パラリーガルとか弁護士の仕事については何も関わってこないのかな?
それはちょっともったいない気もするんですが、その動向も含めて3話も楽しみです。
「石子と羽男」概要
放送日:毎週金曜日22:00~
主演:有村架純、中村倫也
脚本:西田征史(「とと姉ちゃん」「必殺仕事人2020」など)
プロデュース:新井順子(「MIU404」「最愛」など)
演出:塚原あゆ子(「MIU404」「最愛」など)、山本剛義